稲荷神社は一般の神社と違う特徴がある。それは現世利益を願って人々が献納した朱の鳥居で、参道入り口から境内まで延々と建ち並び、祈りと御稲荷さんの御神徳を表している。昭和の前半まで参道入り口の石の大鳥居は額束(がくつか)に正一位稲荷大明神の銅製銘板を掲げて、片田稲荷の象徴だったが、惜しいことに、昭和二十八年九月の十三号台風と、同三十四年の伊勢湾台風の強風で倒壊してしまった。現在の朱の大鳥居は昭和三十八年六月、三重県大王町の石吉組が奉献した稲荷鳥居という形の高さ六メートルもある雄大なものである。また、冬至の日の入りは特筆に価するものであろう。この日の夕日は大鳥居の中央に沈み、残照に映える大鳥居、西の空を彩る茜色、それに染まる浮雲、暮色漂う大地のシルエット等が創り出す夕影は実に神秘的で、しばし幻想の巷へと思いを誘(いざ)う。
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